**プロセスエコノミー(Process Economy)**とは、商品やサービスの「完成品」だけではなく、完成するまでの過程(プロセス)そのものに価値を持たせる考え方です。
主に ビジネス・マーケティング・クリエイター経済(Creator Economy)系の用語として使われます。英語では Process Economy と表現されます。
従来は、「完成した商品を売る」「完成した作品を公開する」という形が中心でした。プロセスエコノミーでは、そこに至るまでの試行錯誤、制作風景、失敗、改善、舞台裏、成長過程などもコンテンツとして公開し、ファンや顧客に価値を感じてもらいます。
たとえば、YouTuberが新しいアプリを作る場合を考えると分かりやすいです。
- 従来型:アプリが完成 → App Storeで販売
- プロセスエコノミー型:アイデア段階 → デザイン案 → 開発中の苦労 → バグ修正 → ユーザーの意見 → 完成、という過程も発信する
つまり、「完成したアプリ」だけでなく「アプリができるまで」も商品・コンテンツになるわけです。
料理店でも同じです。単に完成した料理を提供するだけでなく、「新メニューを考えている様子」「食材探し」「試作品」「失敗した料理」「お客さんの意見を受けて改良する様子」などをSNSで発信すれば、完成前からファンが関われます。
クラウドファンディングもプロセスエコノミーと相性が良い例です。たとえば、
「新しい革財布を作りました。買ってください」
だけではなく、
「薄い財布を作りたい → 試作品を作った → 厚すぎた → 素材を変更した → 支援者の意見を取り入れた → 製品化した」
という過程を共有すると、支援者は単なる購入者ではなく、「この商品を一緒に作った」という感覚を持ちやすくなります。
ポイントは、単に「裏側を見せる」ということではありません。プロセスを公開することで、共感・参加感・応援したい気持ち・ストーリー性が生まれ、それ自体が経済的な価値につながる、という考え方です。
似た言葉として「アウトプットエコノミー」と対比すると理解しやすいです。
| 考え方 | 価値の中心 | 例 |
|---|---|---|
| アウトプット型 | 完成品 | 完成した本を販売する |
| プロセスエコノミー | 完成までの過程+完成品 | 執筆過程を公開し、読者と一緒に本を作る |
身近な例では、YouTubeのメイキング動画、漫画家の制作配信、ゲーム開発者の開発日記、企業の新商品開発SNS、クラウドファンディング、アイドルの成長過程を応援する文化などがプロセスエコノミー的です。
一言でまとめると、
プロセスエコノミー =「結果だけでなく、そこに至るまでの過程にも価値をつける」というビジネス・マーケティングの考え方
です。
なお、「Process Economy」という表現は日本で広まった概念としての色合いも強く、英語圏で完全に同じ意味の確立した経済学用語として一般的に使われている、というよりは、マーケティングやクリエイター経済を説明する概念として理解するのが適切です。