
逆ポーランド表記法(RPN:Reverse Polish Notation)は、数式の記述方法の一つで、通常の「演算子(+や-)を数字の間に置く」という表記法とは異なり、演算子を数字の後ろに置く形式です。この方法を使うと、計算を行う順序が明確になるため、特にコンピュータなどでの数式処理に便利です。
身近な例を使った説明
例えば、スーパーでリンゴ3個(300円)とバナナ2本(200円)を買って、その合計金額に消費税10%を加えたいとします。この計算をRPNで行うと、次のようになります。
- 計算する式を考える: 通常なら「(300 + 200) × 1.1」という式になります。
- 逆ポーランド表記法に変換: この式をRPNで表すと、「300 200 + 1.1 ×」となります。
- 計算手順: RPNでは左から順に数字や演算子を見ていき、演算子が出たら直前の2つの数字に対して計算を行います。
- 300 → 数字なので覚えておきます。
- 200 → 数字なので覚えておきます。
- + → 演算子なので、直前の2つ「300」と「200」を足して「500」にします。
- 1.1 → 数字なので覚えておきます。
- × → 演算子なので、「500」と「1.1」を掛けて「550」とします。
このようにして、計算結果は550円となります。
RPNの特徴とメリット
- カッコが不要:RPNでは、計算の順序が明確であるためカッコが必要ありません。先に計算すべき項が順番に並ぶので、処理がシンプルです。
- 計算の流れがわかりやすい:数式を左から順に処理するだけで計算が完了するため、計算を管理しやすいです。
もう一つの例:荷物の積み方
逆ポーランド表記法は、荷物の積み方にも似ています。例えば、「Aを積み、Bを積み、Cを積む。次にBとCを取り出して何かを行う」という手順です。逆ポーランド表記では、まずAとBとCを順番に積んで、必要に応じて取り出し、最後に操作することで、無駄な再配置なく簡潔に処理ができます。