RFP は、Request for Proposal の略です。
日本語では 提案依頼書 と訳されます。
簡単に言うと、発注側がベンダーや開発会社に対して、
「こういうことを実現したいので、どう作るか・いくらでできるか・どんな体制で進めるかを提案してください」
と依頼するための文書です。
例:勤怠管理システムを導入したい場合
ある会社が、紙やExcelで管理している勤怠をシステム化したいとします。
その会社は、複数のシステム会社に対して、次のような内容を書いたRFPを渡します。
当社では勤怠管理をシステム化したいです。
以下の要件を満たすシステムについて、機能、費用、スケジュール、保守体制を提案してください。
RFPには、たとえば以下のような情報を書きます。
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 背景 | 紙の申請やExcel集計に時間がかかっている |
| 目的 | 勤怠申請、承認、集計を効率化したい |
| 必要な機能 | 打刻、残業申請、休暇申請、承認フロー、CSV出力 |
| 利用者数 | 社員500人 |
| 希望スケジュール | 3か月後に本番稼働したい |
| 予算感 | 初期費用500万円以内 |
| 提案してほしい内容 | 実現方法、費用、体制、スケジュール、保守内容 |
これを受け取ったシステム会社は、
「当社ならこのパッケージを使います」
「カスタマイズはここまで必要です」
「費用は450万円です」
「導入期間は4か月です」
というように提案します。
RFPの役割
RFPの目的は、複数の会社から比較しやすい形で提案をもらうことです。
RFPがないと、各社への説明がバラバラになりやすく、提案内容も比較しにくくなります。
たとえば、A社には「勤怠管理を作りたい」とだけ伝え、B社には「残業申請も必要」と伝えた場合、見積もりや提案範囲がズレます。
RFPを用意すると、各社に同じ条件を提示できるため、以下を比較しやすくなります。
- 価格
- 機能の実現方法
- 開発期間
- 保守・運用体制
- 担当者の経験
- リスクへの対応方法
RFPに書くこと
RFPには、一般的に次のような内容を書きます。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 会社・プロジェクト概要 | どんな会社で、何をしたいのか |
| 背景・課題 | なぜシステムやサービスが必要なのか |
| 目的 | 何を達成したいのか |
| 対象範囲 | どこまでを依頼対象にするのか |
| 要件 | 必要な機能・性能・セキュリティなど |
| スケジュール | 提案締切、選定時期、開始時期、本番予定 |
| 予算 | 明記する場合もあれば、非公開の場合もある |
| 提案依頼内容 | ベンダーに何を提案してほしいか |
| 評価基準 | 価格、実績、品質、体制など |
| 契約条件 | 支払い条件、成果物、保守範囲など |
ServiceNow案件での例
ServiceNowで例えると、発注側が以下のようなRFPを出すイメージです。
当社では、ServiceNowを使ってインシデント管理と申請管理を整備したいです。
ITSM導入、カタログアイテム作成、承認フロー、通知設定、既存システム連携について提案してください。
RFPに書く内容は、たとえば以下です。
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 背景 | 問い合わせ管理がメール中心で、対応状況が見えない |
| 目的 | ServiceNow上で問い合わせ受付、対応、承認、履歴管理を行いたい |
| 対象スコープ | Incident、Request、Catalog Item、Flow Designer、通知 |
| 要件 | SLA管理、承認フロー、メール通知、レポート、権限制御 |
| 連携 | 社員マスタ、人事システム、Teams通知 |
| 提案依頼 | 設計方針、開発範囲、体制、工数、費用、スケジュール |
| 希望納期 | 6か月以内に本番稼働 |
このRFPをもとに、ServiceNow導入ベンダーが、
「標準機能でできる部分」
「カスタマイズが必要な部分」
「Flow Designerで実装する部分」
「IntegrationHubが必要な部分」
などを整理して提案します。
RFPと要件定義の違い
ここは少し混同しやすいです。
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| RFP | 発注前に、ベンダーへ提案を依頼する文書 |
| 要件定義書 | 契約後に、実際に作る内容を具体化した文書 |
RFPは、まだベンダー選定前に使うことが多いです。
要件定義書は、ベンダーが決まったあとに作ることが多いです。
つまり、
RFP:どの会社に頼むか決めるための資料
要件定義書:何を作るか確定するための資料
という違いです。
RFI・RFQとの違い
似た用語に RFI と RFQ があります。
| 用語 | 略 | 日本語 | 目的 |
|---|---|---|---|
| RFI | Request for Information | 情報提供依頼書 | まず情報を集める |
| RFP | Request for Proposal | 提案依頼書 | 解決策を提案してもらう |
| RFQ | Request for Quotation | 見積依頼書 | 価格を出してもらう |
流れとしては、よくあるのは以下です。
RFIで情報収集
→ RFPで提案依頼
→ RFQで見積依頼
→ ベンダー選定・契約
ただし、実務ではRFPの中に見積依頼も含めることが多いです。
まとめ
RFP = Request for Proposal = 提案依頼書です。
発注側が、ベンダーに対して、
「この課題を解決したいので、実現方法・費用・スケジュール・体制を提案してください」
と依頼するための文書です。
システム開発で言えば、RFPは ベンダー選定のための土台 になります。
RFPの内容が曖昧だと、提案内容や見積もりがバラつきやすくなります。