【心理学】ジャネの法則(Janet’s Law)

ジャネの法則(ジャネの法則:Janet’s Law)とは、
**「年齢を重ねるほど、時間が早く感じるようになる」**という心理学の法則です。
ジャンルとしては 心理学(特に時間知覚・発達心理学) に含まれます。


【ジャネの法則とは?】

フランスの哲学者・心理学者 ピエール・ジャネ(Pierre Janet) が提唱した考え方で、

人は、自分が生きてきた時間(年齢)に対する割合で時間を感じる
→ 年を取るほど、1年が短く感じる

という仕組みです。


【分かりやすい例】

◆① 10歳の子にとっての「1年」

10歳にとって「1年」は
10年のうちの 1年(=10分の1)
人生の10%です。

→ とても長く感じる
(小学生の夏休みが「永遠に続く気がする」理由)


◆② 40歳の大人にとっての「1年」

40歳にとって「1年」は
40年のうちの1年(=40分の1)

→ 人生の2.5%しかない
→ 体感的に短く感じる
(40代が「1年あっという間だった」と言いがちな理由)


◆③ 夏休みの体感差

  • 子ども:夏休み40日
     → これまで生きた3,000日くらいに対して40日(約1.3%)
  • 中年:夏休み40日間の休暇を取れたとして
     → これまで生きた15,000日くらいに対して40日(約0.26%)

子どもに比べて大人は5倍以上短く感じる


【なぜ年を取るほど早く感じるの?】

ジャネの法則を補強する説明として、よく次のような理由が挙げられます。

●① 経験が増えるから

新しい体験は「記憶に濃く残る」ためゆっくり感じる。
逆に日常がルーティン化されると「早く感じる」。

例:

  • 初めての海外旅行は長く感じる
  • 毎日の通勤はあっという間

●② 同じ出来事でも刺激が薄くなる

大人になると“見慣れたこと”が増えて、
脳が「これは特別な記憶として残す必要はない」と判断しがち。

→ 記憶密度が下がる
→ 時間が短く感じる


●③ 忙しくなるから

仕事・家庭・責任が増えると、
1日 1日の訴求力が弱くなる。

→ 「気づいたら年末」状態が起こる


【ジャネの法則はどんな分野の話?】

🔵 心理学(特に時間知覚)
🔵 発達心理学
🔵 心理的時間の研究(人の主観的時間感覚)
🔵 教育学・社会学でも引用されることがある

数学や物理の法則ではなく、
“心の時間”に関する心理学的な法則です。


【まとめ】

  • ジャネの法則=年齢が上がるほど時間が早く感じる現象を説明した心理学的法則
  • 子どもに比べて大人は「1年の相対的割合」が小さいので速く感じる
  • 新しい経験が減ることや忙しさも影響
  • ジャンルは 心理学・発達心理学