【IT用語】スケールアウト(scale out)

「スケールアウト(scale out)」とは、システムの処理能力を上げるために「サーバーの台数を増やす」方法のことです。
同じ意味で「水平スケーリング(horizontal scaling)」とも呼ばれます。


🔹 基本のイメージ

  • スケールアップ:1台のサーバーを「より強力なマシン」に替える
  • スケールアウト:サーバーの数を「横に増やす」

つまり、
「1台のスーパーマシンを作る」か、
「普通のマシンをたくさん並べて協力させる」か、という違いです。


🔸 例①:飲食店のイメージ

あなたが人気のラーメン屋を経営しているとします。

  • スケールアップ:厨房を改装して、最新の大きな調理機器を入れる(1人でも多く作れるようにする)
  • スケールアウト:別の場所に2号店、3号店を出して、同じレシピで同時に提供する

ラーメン屋の「2号店」「3号店」が増えるのが、スケールアウトです。
それぞれの店が同時に注文を処理できるようになります。


🔸 例②:Webシステムのイメージ

たとえば、あるWebサイトが1台のサーバーで動いていて、アクセスが増えすぎたとします。

  • 1台では処理が追いつかない
  • サイトが重くなる

そんなときに「サーバーを増やす」のがスケールアウトです。

1台構成:
[WebサーバーA]

スケールアウト後:
[WebサーバーA] + [WebサーバーB] + [WebサーバーC]

ロードバランサー(負荷分散装置)が、
アクセスを3台に分配することで、全体の処理速度が向上します。


🔸 メリット

  • サーバーを「後から追加」できる柔軟性
  • 障害時も、他のサーバーが代わりに動ける(冗長性)
  • 比較的安価なマシンでも大規模運用が可能

🔸 デメリット

  • サーバー間でデータの整合性を保つ仕組みが必要
  • 構成が複雑になり、運用コストが増える

🔹 まとめ

観点スケールアップスケールアウト
方法マシンを強化台数を増やす
英語表現Scale UpScale Out
別名垂直スケーリング水平スケーリング
メリット単純・設定が楽柔軟・冗長性あり
デメリット限界がある構成が複雑