【ビジネス用語】傾斜配分(けいしゃはいぶん)

「傾斜配分(けいしゃはいぶん)」とは、一律に同じ割合ではなく、重点をつけて配分することを意味します。
主に「お金」「人」「時間」「リソース」などを分けるときに使われます。


💡 基本イメージ

たとえば、あなたが会社のリーダーで、
「今年の予算100万円を3つの部署に配る」とします。

  • A部署:新商品を開発中(将来性あり)
  • B部署:現状維持で安定
  • C部署:業績低下中

もしこれを「一律配分」するなら、
→ 各部署に 33万円ずつ配ります。

しかし、「傾斜配分」を採用するなら、
→ 将来性のあるA部署に多く、C部署に少なく配る、というように強弱をつけて配分します。


📊 例1:会社の予算配分

部署状況配分額備考
A部署新規事業で成長期待50万円成長投資として重点配分
B部署現状維持30万円通常運営
C部署成績不振20万円必要最低限のみ

これは、**「将来への効果に傾斜をつけた配分」**です。


🎓 例2:教育現場での傾斜配分

ある学校が補助金を受け取り、

  • 学力の高い生徒の伸ばすプログラム
  • 学力の低い生徒を支援する補習プログラム
    の両方に使えるとします。

もし「公平に半分ずつ」使えば一律配分ですが、
「支援が必要な生徒に重点を置く」という方針なら、
補習プログラムに多く予算を傾ける。これが傾斜配分です。


🏙️ 例3:自治体の補助金(現実の行政でもよく使われます)

地方交付税やコロナ対策予算などで、
「人口」「高齢化率」「感染者数」などに応じて多く配分する――
これも傾斜配分です。

つまり「必要性」や「効果の大きさ」に応じて、
配分の“傾き”をつけるという意味です。


🎯 ポイントまとめ

項目内容
意味一律ではなく、重要度や必要度に応じて多め・少なめに分けること
対義語一律配分(全員同じ割合)
使われる場面予算・人員・補助金・奨学金・時間割など
メリット限られた資源を効果的に活用できる
デメリット不公平感が出やすい

🧭 覚え方の比喩

「坂道(傾斜)がある分だけ、多く流れる」

平らな道(=一律配分)では水は均等に流れますが、
坂道(=傾斜)をつけると水が特定の方向に多く流れます。
これが「傾斜配分」というイメージです。