
セキュリティクリアランス(Security Clearance)とは、国家機関や軍、または一部の企業において「機密情報にアクセスする権限を持っているか」を示す資格や認可のことです。平たく言うと、「どこまで秘密を見てもいいか」を決める許可証のようなものです。
例を交えた説明
1. 政府・軍事の例
アメリカや日本の防衛分野では、国家機密を扱う人にセキュリティクリアランスが必要です。
- Confidential(機密):漏えいすると国益に「軽度の損害」がある情報
- Secret(秘密):漏えいすると「重大な損害」がある情報
- Top Secret(極秘):漏えいすると「甚大な損害」がある情報
例えば、自衛隊で新型レーダーの開発に関わる研究員は「Secret」以上のクリアランスを持っていなければ、その設計図や性能データを閲覧できません。
2. 企業の例
大手の防衛産業やインフラ関連の企業(通信、原子力発電など)でも、国家と連携してセキュリティクリアランスを求めることがあります。
例えば、防衛装備品メーカーに勤めるエンジニアは、米軍との共同プロジェクトで「秘密(Secret)」レベル以上を保持していなければプロジェクトに参加できません。
3. ITの例
海外(特にアメリカ)の政府系ITプロジェクトでは、開発者やセキュリティ担当者がクリアランスを持っている必要があります。
例えば、CIAの内部システム開発を請け負う企業のエンジニアは「Top Secret」クリアランスが必要で、一般的なプログラマーでは応募すらできません。
どうやって取るのか?
- 身辺調査:経歴、犯罪歴、借金、外国とのつながりなどを調査
- 面接:本人や周囲の人(家族、友人、同僚)に聞き取り
- 継続的チェック:認可後も定期的に審査を受ける
つまり「信頼できる人物か?」を徹底的に調べられるわけです。
たとえ話
セキュリティクリアランスを「遊園地の入場パス」に例えると分かりやすいです。
- 一般チケット:普通のアトラクション(公開情報)しか入れない
- VIPチケット(Secret):特別なアトラクション(国家機密)に入れる
- 超VIPチケット(Top Secret):さらに裏の制御室(最高機密情報)まで入れる
どのパスを持っているかで、アクセスできる範囲が変わるイメージです。