
ITにおける「コールバック」とは、あるシステムやアプリケーションが特定のタイミングで他のシステムに通知やデータを返す仕組みを指します。例えば、ユーザーのアクションやプロセスの完了など、条件が満たされたときに実行されます。
具体例
1. OAuthの認証フロー
Webアプリケーションにおける「ログイン」を例に考えてみましょう。たとえば、アプリがGoogleアカウントを使ってユーザーを認証する際、次の流れでコールバックが機能します。
- ユーザーがログインを試みると、アプリはGoogleのログインページへユーザーをリダイレクト。
- Googleの認証が成功すると、事前に設定された「コールバックURL」に認証情報を付けてユーザーを戻します。
- アプリケーションはこのコールバックURLで認証結果を受け取り、必要な処理(例えばユーザーのセッションを開始)を行います。
2. 支払い処理
Eコマースサイトなどでは、外部の決済サービス(例: PayPal)を使用してユーザーの支払いを処理することがあります。
- ユーザーが商品を購入すると、サイトはPayPalにリダイレクトして支払いを進めます。
- 支払いが完了すると、PayPalは事前に指定されたコールバックURL(通知先URL)に支払い結果を送信します。
- サイトはコールバックを受け取り、購入手続きの完了や領収書の発行を行います。
コールバックの利点
- 非同期処理が可能:他の処理と並行して行われるため、システム全体の効率が向上します。
- 自動化と連携:他のシステムやサービスとの連携が容易になり、トリガーに基づいて必要なアクションを実行できます。
ITにおける「コールバック」を、身近な例で例えると「宅配便の再配達リクエスト」がわかりやすいです。
宅配便の再配達リクエストとしてのコールバック
たとえば、家に不在だった時、宅配便の不在票がポストに入っていることがあります。この状況で「再配達をお願いする」流れが、ITでのコールバックに似ています。
- 不在票を確認
まず、宅配会社が配達に来ますが、あなたが不在だったため荷物は一度持ち帰ります。この不在票が「再配達をお願いするためのアクションのきっかけ(トリガー)」です。 - 再配達のリクエストをする
あなたが再配達のために宅配業者に連絡します。これは「コールバックの要求」をシステムに送るアクションにあたります。 - 宅配業者が再び配達
リクエストに応じて、宅配業者が指定の時間に再び配達に来ます。この流れが「コールバック」に相当し、あなたのリクエストに対して宅配業者が応答する仕組みです。
ポイント
- リクエストに応じた対応:こちらの指示(リクエスト)に対して宅配業者が動き、指定のタイミングで再配達されるという点が、ITにおける「コールバック」そのものです。
- 必要なタイミングでのみ実行:コールバックはリクエストに基づき発動するので、不在票があってもリクエストがなければ再配達は行われないのも特徴です。
これと同様に、システムも「必要なタイミングでのみ、特定の処理を実行する」ためにコールバックを利用しています。