【ビジネス用語】クリティカルパス

クリティカルパス(Critical Path)は、プロジェクト管理において、最も時間のかかる一連のタスクを指します。このタスクの遅れは、プロジェクト全体の遅れに直結します。

身近な例として、「家族での夕食の準備」を考えてみましょう。

夕食準備のタスク

  • 買い物に行く(1時間)
  • 野菜を切る(20分)
  • 肉を焼く(30分)
  • スープを作る(40分)
  • 食卓を準備する(10分)

ここで、クリティカルパスは「プロジェクト全体(夕食準備)」の完了に最も時間がかかる一連の作業です。

クリティカルパスを見つける

各タスクの順序や依存関係を考慮すると、

  • まず、買い物に行かないと料理を始められません。(1時間)
  • 次に、同時にできないタスクとして「スープ作り(40分)」と「肉を焼く(30分)」があります。

この場合、最も時間のかかる流れは「買い物(1時間)→スープ作り(40分)」で、合計1時間40分です。この一連のタスクがクリティカルパスになります。これが遅れると、夕食全体の時間も遅れます。

一方、例えば「食卓を準備する」はスープ作りや肉を焼くの後半にできるので、多少遅れても全体に影響を与えないため、クリティカルパスには含まれません。

クリティカルパスはプロジェクトの中で「最も重要で時間に敏感な部分」であり、これをしっかり把握しておくことが、効率的にプロジェクトを進めるカギとなります。

なお、最短のタスクは「クリティカルパス」ではなく、「フロート(Float)」や「スラック(Slack)」が発生するタスクと呼ばれます。これらのタスクは、少し遅れてもプロジェクト全体に影響を与えないため、非クリティカルタスクとして扱われます。

フロート(Float)/ スラック(Slack)

「フロート」または「スラック」は、タスクが遅れてもプロジェクト全体に影響を与えない余裕時間のことです。この余裕があるタスクはクリティカルパスには含まれず、最短で終わることが可能な場合が多いです。

身近な例での説明

夕食準備の例に戻ると、「食卓を準備する(10分)」は、料理の進行に直接依存しないので、他のタスクに合わせて柔軟に進めることができます。このタスクにはフロートがあると考えられます。

要するに、最短のタスクそのものに特別な名前はなく、それがフロートを持つタスクか、非クリティカルなタスクとして扱われるかによります。