【IT用語】シングルサインオン(SSO:Single Sign-On)

シングルサインオン(SSO:Single Sign-On)とは、1つの認証情報(ユーザー名とパスワード)を使って、複数の異なるシステムやサービスにログインできる仕組みです。SSOを使うと、一度ログインするだけで、他のシステムやアプリケーションにも追加のログイン操作なしにアクセスできるようになります。

■シングルサインオンの特徴と利点

・ユーザーエクスペリエンスの向上
→ユーザーは一度だけログインすればよく、各システムやサービスに対して個別にログインする手間が省けます。

・セキュリティの向上
パスワードを複数覚える必要がなくなるため、弱いパスワードを使うリスクが減少します。また、SSOシステムは多くの場合、より安全な認証方法(多要素認証など)と組み合わせて利用されます。

・管理の効率化
IT管理者は1つのシステムでユーザーのアクセス管理ができるため、セキュリティの強化と管理業務の簡素化が図れます。

・パスワードリセットの手間削減
ユーザーが一度に覚えるパスワードが少なくなることで、パスワードのリセット要求も減少します。

■SSOの仕組み
SSOは、ユーザーが1つのIDプロバイダー(IdP: Identity Provider)を使って認証することで、他のサービス(サービスプロバイダー、SP)にアクセスできるようになる仕組みです。例えば、Googleアカウントを使ってさまざまなウェブサービスにログインできるのも、SSOの一種です。

■代表的なSSOプロトコル
SAML(Security Assertion Markup Language): 主に企業のSSOで使われ、ブラウザベースのシングルサインオンに対応しています。

OAuth / OpenID Connect: ソーシャルログイン(Google、Facebook、Microsoftなど)でよく使われるプロトコルで、Webアプリやモバイルアプリ向けです。

■実際の利用シーン
企業環境: 企業内の従業員が、社内システムやクラウドサービスにSSOを使ってアクセスする例が多いです。
クラウドサービス: Microsoft 365、Google Workspace、Salesforceなど、さまざまなサービスに1つのアカウントでログインできます。

ソーシャルログイン: 一般ユーザー向けに、GoogleやFacebookのアカウントを利用して、他のウェブサービスにサインインする形でもSSOが利用されています。

■SSOの課題
セキュリティへの依存: 一度のログインで多くのサービスにアクセスできるため、もしSSOアカウントが不正にアクセスされた場合、他のすべてのサービスも危険にさらされるリスクがあります。そのため、多要素認証(MFA)を併用するのが一般的です。

システムの複雑さ: 実装には、システム間の連携や認証のプロトコルに関する深い知識が必要な場合があります。
SSOは、セキュリティを保ちながらユーザーの利便性を大幅に向上させるため、企業や一般ユーザーにとって非常に有益な技術です。